それもまた、一つの人生のかたち
Z世代である娘が、はっきりとこう言った。
「結婚しない・産まない」
その言葉は、悲観でも反抗でもなく、淡々とした“選択”だった。
理由を聞けば、彼女なりの論理がある。
• 男性と付き合っても、束縛されて面倒なだけ。
• 自分も働くのに、家事や育児を“当然”のように押し付けられる未来が見える。
• 命を懸けて子どもを産みたいと思えるほどの男性はいない。
• SNSを見れば、ミソジニストや弱男の投稿が溢れ、恋愛に希望を持てない。
彼女は、恋愛や結婚を「努力して手に入れる幸せ」ではなく、「リスクの高い契約」として見ている。
それは、今の若い子たちにとっては珍しいことではないのかもしれない。
「お金持ちと結婚したら?」と聞いてみたこともある。
すると娘は即答した。
「お金持ちでも、めんどくさい親戚とか義両親とか、そういうのが無理。」
恋愛感情そのものが希薄な子も増えている時代。
“結婚して当たり前”という価値観は、もうとうに崩れている。
それでも「次世代は育てたい」という矛盾のない優しさ
娘は今22歳。27歳になったら、養子を迎えてシングルマザーとして育てるつもりだという。
その言葉に、私は少し驚き、そして少し納得した。
彼女は発達障害があり、無理をして社会の“普通”に合わせる必要はない。
血縁にこだわらず、育てたい子を育てる。
それもまた、立派な家族の形だ。
「産まない」という選択と、「育てたい」という選択は矛盾しない。
むしろ、彼女なりの誠実さだと思う。
親としての私の気持ち
変わりゆく価値観を前に、ただ静かに見守る
私の世代は、結婚も出産も“人生の通過儀礼”のように扱われてきた。
でも娘の世代は違う。
彼女たちは、社会の矛盾や不公平を敏感に感じ取り、
「自分の人生を守るために選ばない」という勇気を持っている。
私は、娘の選択を肯定している。
それは諦めではなく、尊重だ。
人生は一つではない。
家族の形も一つではない。
娘が幸せだと思える道を歩むなら、それでいい。

